甘酒の成分、麹の甘酒と酒粕の甘酒の違いなど
こんにちは。発酵プロフェッショナルの梶です。今日は甘酒のお話を少し。
甘酒ってなんぞや?
Wikipediaによると
「甘酒(あまざけ、カンシュ、醴)は日本の伝統的な甘味飲料の一種で、見た目はどぶろくに似て混濁している。甘粥(あまがゆ)とも呼ばれる。主に米こうじと米、あるいは酒粕を原料とする。酒という名がつくものの、アルコール含有はわずかで、市販されている商品はソフトドリンク(アルコール度数1%未満)に分類される。」
一般的に甘酒と呼ばれるものには、2種類あります。
一つは、米麹と米で作った甘酒。
もう一つは、日本酒などの酒粕(絞りかす)にお砂糖などを混ぜて甘くしたもの。
米麹と米で作ったものは、アルコール分は含まれませんが、酒粕で作った方は、若干アルコール分が含まれます。
成分の違い
「米麹で作った甘酒」
お米のデンプンを麹のアミラーゼという酵素で糖化して、ブドウ糖に分解したもの。
麹菌由来の様々な酵素(200種類を超えると言われている)の中でも、主に糖化酵素のアミラーゼ、またタンパク質分解酵素のプロテアーゼの力により、糖化されるだけでなく、アミノ酸も多く生産され、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、食物繊維、オリゴ糖や、システイン、アルギニン、グルタミンなどの必須アミノ酸が含まれています。ブドウ糖以外の成分は原料米との麹菌に由来しますが、これらの栄養はいわゆる栄養剤としての点滴とほぼ同じ内容であることから、「飲む点滴」とも呼ばれています。
「酒粕で作った甘酒」
酒粕は、日本酒を作る際に醪を搾ったカスです。その酒粕に砂糖を添加して水で溶いたものが、酒粕で作った甘酒です。麹で作った甘酒との大きな違いは、砂糖が添加されていること、さらに、酒粕には7%程度のアルコールが含まれているので、アルコールが1%弱程度含まれること、酵母や酵母由来、もしくはアルコール発酵で生産された栄養成分が含まれることです。
日本酒は、すごく簡単に言うと、蒸米と米麹と乳酸菌と酵母と水を混ぜて作ります。醪(もろみ)(アルコール発酵したドロドロの液体)を濾した液体が日本酒ですが、その残りのカスです。日本酒の作り方などは、詳しくはまた別の機会に。
酒粕には、原料の米や麹また乳酸菌、酵母由来の栄養成分がたくさん含まれると同時に、アルコール発酵中に生産された栄養成分も多く残っています。例えば、たんぱく質、炭水化物、食物繊維、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸ビタミンB6などのビタミンB群)・ミネラル(マグネシウム・カリウム・カルシウム・リン・亜鉛・鉄・銅)・アミノ酸・ペプチド・酵母菌由来のβ‐グルカン・葉酸など。
どちらにも、多くの栄養成分が含まれますね。
麹で作った甘酒は、「ブドウ糖」が主成分なので、「砂糖」で甘みをつけた酒粕で作った甘酒より、糖分の吸収が速いと言うことが言えるかもしれません。酒粕で作った甘酒は、食物繊維が豊富なので、便秘に悩む方などは、こちらの方がいいかも。
甘酒の作り方はこちらから